文化
アラビア書道展開催 アラビア文字を通じて見えてくる日本文化
Friday, December 14, 2012
東京- (パンオリエントニュース)
第4回アラビア書道展が、今月10日から、都内のサウジアラビア大使館で開催されている。
アラビア書道家の佐川信子さんがパンオリエントニュースのインタビューに答えた。
佐川さんは大学卒業後にアラビア語を学びはじめたというが、きっかけは7才の頃に見たサウジアラビアの国旗だという。「小さい頃に世界地図を見るのが好きで、7才のとき初めてサウジアラビアの国旗を見た。緑と白の国旗に書いてあったアラビア文字にとても感動して、その頃からずっといつかアラビア語を学びたいと思っていた」と話す佐川さん。日本でアラビア語学校に通った後にシリアのダマスカスに留学、シリア人書道家ムハンマド・アルカーディー氏に師事しアラビア書道の教授を得た。
展示されている佐川さんの作品の一つに、聖クルアーンからのある一節が書かれている。『両親に敬愛の情を込め、謙虚に翼を低く垂れ優しくして言うがよい 主よ、幼少のころ私を愛育してくれたように二人の上に御慈悲を御授けください、と(『聖クルアーン』夜の旅賞24節より)。』この格言、要するに両親に孝行しなさい、ということだが、佐川さんは上記のようなアラビア格言の中に日本文化との共通点を感じるという。「大人になってからも両親と一緒に住んだりと、イスラム社会の中に日本社会と似ているものがある。実は礼儀や倫理観がとても近いと思う。だから自分もアラビア書くときに感情を素直に込められる。」
また、佐川さんは書道を書くときには必ず炭を使い紙の上に書くというこだわりがあるという。「紙は中国から中東地域に伝播したけれど、紙の発展の歴史と共にアラビア文字も発展した。そして、炭を使うのは、炭の真っ黒な色がとてもきれいなことはもちろん、炭も紙と同様に植物で出来ていて、自然のものだからということに思うところがある。これも自分が日本人だからかもしれない」と笑顔で答えていた。
展覧会は今月23日まで。アラビア文字を通じて、新たな中東文化を発見しに行ってみては?
Photo: パンオリエントニュースのレポーターに作品を説明する佐川信子
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