文化

古代シリアにおける神々の世界

Wednesday, August 17, 2016

ダマスカス- 紀元前2000~3000年の古代シリアにおける、神々の世界と彼らの役割の多様さは、現代の私たちにシリア社会の深いルーツと豊かな文化を教えてくれます。古代のシリアの人々は神々が自分たちの望みをかなえてくれることを願って、彼らを崇拝していたと同時に、生活の中心であり農業の営みを守ってくれる重要な存在と信じていました。そして、人々は豊かな生活を脅かされることのないよう、寺を建て、誓約をし、生贄をささげていたのです。このように古代シリアの神々は人々の生活に非常に深く関わっていました。

 古代シリアやイラクのウガリット王国にあるカナーン教の画板や書物から、当時たくさんの神々がいたことがわかります。太陽の神であるシャムシュ、生活の神のエイリアンバール、偉大な神であるアスタルテなど、様々な神が存在し、彼らは自然を支配していたのです。

 その中でも、今回は主要な神々をいくつか紹介します。まず、シリアにあるジャブラ考古学館のジャマル・ハイダー教授は、アイルという神がカナーン教の人々と近隣のアラム人にとって偉大な神であったと上記の書物が暗示していると考えています。ウガリットでの1973年の発掘期間に、豪華な装飾のされた王座に座っている彼の石灰像が発見されました。石や鉄鋼で装飾のされている彼は、敬遠な態度で座る賢い族長の姿をしており、彼の訪問者に憐れみと知恵を与えています。

 また、ハイダー教授は三位一体の第二各位の神はアイルの息子であり、カナーン教の崇拝の対象となっているバールの神であると説明しています。最も重要なことは、バールの神はシリアの自然環境によって、特に雨に頼って農業を行っている地域で創造されたということです。ウガリットの人々は穀物を生産する雨の恵みを大切にし、それは神の御業であると考えていたのです。バールの神が姿を消すと干ばつが起こり、再び現れるとはちみつのような川が流れたという言い伝えもあるほどバールの神と自然は密接に関わっていたそうです。バールの神の発祥の地はウガリット王国の北部の国境にあるアクラムであることもハイダー教授によって明らかにされています。

 アスタルテの女神はセム語族の国にとって最も馴染みのある神ですが、様々なシンボルをもっています。彼女は戦闘における破壊神であるとともに優しさ、祝福、そして繁殖の神でもあったのです。また、旧約聖書によって、彼女は軍人の神として崇拝され、戦争の名士としても知られています。一方でで、繁殖の神とも言われていました。ゆえに彼女の裸はもっとも重要なシンボルとして絵画や彫刻で表現されています。

 現在、シリアとイラクは紛争下にあり危険が廃墟や市街地を取り巻いていますが、これらの様々な神は文明社会において、その地域の重要な起源を思い起こさせてくれるのです。

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