外交

在日スーダン人 デモ隊強制排除のスーダンへ日本に協力を訴え

Sunday, June 16, 2019

パンオリエントニュース

(東京) – 反政府デモが続くスーダンで、3日、暫定軍事評議会派の軍が文民政権への移行を求めて座り続いていたデモ隊を強制排除する事態が発生、数百名の死傷者が出た。これを受け、在日スーダン人らが、16日、都内で暫定軍事評議会の行為を非人道的として非難するデモを行った。デモには日本在住のスーダン人60名が参加し、都内の国連大学前で暫定軍事評議会の行為を強く非難した。

スーダンでは昨年12月から弁護士や教員らから構成されるスーダン専門職組合が先導する反政府デモが勃発した。これに加え、今年の4月には30年に渡り独裁を続けたオマル・ハッサン・アハメド・バシル政権が軍事クーデターにより崩壊、その後に暫定軍事評議会が設置され、統治を行ってきた。文民政権への移行を求める反政府デモ団体と交渉が重ねられてきたが難航し、国防相前で座り込みを続けていたデモ参加者らに対し今月3日に強制排除が行われ、緊迫した状況が続いている。

反政府側は強制排除により100名以上が死亡したと主張しているが、地元暫定政府は61名と説明している。

東京でのデモの主催者の1人であるアズハリ・アハメッド氏は、パンオリエントニュースに対し、在日スーダン人の結束は固く、今後も暫定軍事評議会の非人道的行為を非難し、日本からも協力を得られるよう活動していくと話した。

また、デモに参加したファイサル・シェイク氏は、日本政府及び国連代表者に対しスーダンでの混乱が一刻も早く沈静化し、平和が戻るよう協力してほしいと呼びかけた。「中東和平は日本の経済にとって非常に重要であることは疑いがない。だからこそ安倍晋三首相はイランと米国の関係の緊張を緩和するためにイランを訪問した。そして今スーダンは危機的状況にある。我々は危機を緩和して文民政府が樹立され、地域に平和が戻るよう日本が介入し、積極的な役割を果たしてほしい」と語った。

国連の代表者に向けて日本語・アラビア語・英語で読まれた声明文は以下:

「日本の国連の代表者様
拝啓
日本のスーダンコミュニティは、スーダンにおける「自由と平和と正義」を要求する平和的な座り込みの抗議を行う者に対する残忍な攻撃と虐殺を強く非難します。
疑いようもないことですが、2018年12月の暴動以来、その後の軍事評議会(TMC)が抗議者に対して血なまぐさい取り締まりをしていることは周知のことかと思います。
したがって、私たちは貴組織に対し、暫定軍事評議会に以下の要求を提示し最大限の圧力をかけるよう要請します。

1. ハルツームでの座り込みの人々への凶悪な大虐殺の計画、またはその実行犯を特定するため、国連の支援の下に国際検査委員会を設立すること。

2. 軍事評議会の支持者が9ヶ月以内に合法的な選挙を実施しようとする試みを阻止し、そのような選挙の準備や実施は国民政府に任せることとするもの。

3. 反体制派一派によって引き起こされる治安悪化から安全を確保するため、警察部隊が権利と義務を履行し、治安悪化を扇動した者もしくは組織を調査することの許可。

4. ラマダン月29日に拘束されたすべての被収容者の即時解放。

5. 犠牲者と行方不明者の数に関する正確な統計を提供するとともに、救助隊と捜索隊がブルーナイル川の橋下で溺死した遺体の徹底的かつ完全な調査を行うこと。

6. 平和的な座り込み抗議を行った者に対し行われた凶悪犯罪の実態を国際社会が理解し、自由を回復し、インターネットサービスの禁止や不通を解除する。」

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