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イルカ・鯨の音響で、最先端医療テクノロジー?

Monday, December 20, 2010

東京- イルカや鯨などの鳴き声を“脊髄”に響かせ、心身を健康な状態にする最先端医療テクノロジー「音響免疫療法」が都内を中心に静かなブームを巻き起こそうとしている。患者らは、音響システムの付随したソファに座り、1時間から3時間ほど目を瞑り、音楽の波動にゆったりと身を寄せるだけ。音楽の波動により、細胞を温め、体温を38℃に上昇させ人間が本来持っている自然治癒力を呼び覚ます原理だ。

同療法を発明したのは、国際音楽音響免疫療法患者の会会長で化学者の西堀貞夫さん(72)。10年前に、「悪い細胞などを切ったり殺したりする西洋式の医学ではなく、自然と繋がることで心と身体を幸せにする治療法を開発したい」と、人間の持つ免疫力を最大限に活用し、同治療法を考え出した。「私たちが母親の体内で胎児だった時、羊水の中で、脊髄で音を聴いていた。脊髄は全ての神経に繋がっている。そこを音楽で治癒すれば全てが完治する」と西堀さんは話す。

西堀さんによると、獲物を狙って殺す直前、数メートル先からイルカや鯨は、2万Hz前後の鳴き声を伝え、相手を仮死状態にさせると言う。鳴き声を聴いた獲物らは、解放感、幸福感、脱力感など至福の感覚に陥る。病気などで苦しんでいる人に、音楽を通して幸福感を与えたいと、西堀さんは「音響免疫療法」でイルカなどの音響の特徴を応用した。

同療法は、3年前からスタートし、現在、全国4箇所のクリニックで使用されている。本部(品川区西五反田)には、これまで、全国から約6,000人が訪れた。糖尿病、乳がん、大腸がん、うつ病、不眠症、ノイローゼー、アルツハイマーなど様々な病状に改善の効果が見られていると言う。来客の年齢層も、8歳の白血病の小学生から80歳のパーキンソン病患者までと幅広い。中でも、最近では、鬱などの心の病を抱えたOLが顧客の中心になっているそうだ。

料金は、1回1時間3000円。音響免疫療法ソファも販売しており、一台に付き税抜き220万で販売している。

同免疫法は、日本では認知度が高いとは言えないが、中国では、1年前からブームになっているという。人気の背景には、音のエネルギーを利用した音響療法が、2000年の気功の伝統技術を持つ中国では、文化的に親しみ易いことが考えられる。中国政府公認の医療部門として認知されており、上海の人民解放軍85位医院や日中友好病院などでも最先端医学として位置づけられている。


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