サイエンス

「湾岸諸国の香水メーカー、域内のみならず国際市場へ進出の可能性を探る」

Tuesday, September 20, 2011

ドバイ(パンオリエントニュース)

アラブ湾岸諸国のショッピングセンターを歩いていると必ずスパイシーな香水の香りに包まれ、旅人はきっと自分の国に帰った後もショッピングの思い出と共にこの香りを思い出すだろう。どの店に行っても香水の香りが途切れることはなく、私たちは何千年もこの地に続く香りの歴史から逃れることはできない。

アラブ湾岸諸国における人口一人当たりの香水消費量は世界一である。男女問わず香りの重ねづけに暇なく、香水をつけている人が去った後も残り香が長いこと漂いつづける。

こういった伝統からこの地域では外国産の香水の売れ行きも好調で、それと反対に地域内の香水メーカーの発展も著しい。エネルギー輸出のみに頼った産業から脱しようと模索しているこの地域に必要な発展である。

消費リサーチのユーロモニター・インターナショナルによると、サウジアラビアは域内最大の香水市場で、年8億2,750万ドルを売り上げる。それに続くのがアラブ首長国連邦の年2億580万ドルである。

この市場は更に伸びると予測する者もいる。観光や出張でこの地域を訪れる外国人も増えており、ジョルジオ・アルマーニ、イブ・サンローラン、ゲランといった国際的なブランドも続々と中東に進出しているからである。

アラビア半島の人々は2,000年以上前から、沈香木から作られるウードという香木や、白檀、琥珀、麝香などを使って香水を作ってきた。現在もこの地域で作られる香水の主原料は変わっていない。

イスラム教のハディース(預言者の言行録)にも香水はしばしば登場する。預言者モハメッド自身も香水を拒んだことはなく、イスラム教徒に対しその大切さを説いていたといわれている。

しかし現在では多くの地元メーカーが、原料やクオリティ管理におけるグローバル基準を満たして国際市場に進出するための努力を強いられている。

ブリュッセルにある国際香水協会(IFRA)のステファン・ウェラー氏は言う。「西欧諸国だけでなくアジアにも香水を輸出するのであれば、IFRAの基準を満たさなければならない」 ウェラー氏によると、現在協会に加盟する湾岸諸国は皆無ということだ。

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