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安倍首相、イスラム諸国大使らとの「イフタール」開催 シリア大使らは招かれず

Tuesday, June 4, 2019

パンオリエントニュース

(東京) - 安倍晋三首相は、3日、首相官邸にて駐日イスラム諸国大使らを招待して「イフタール」を開催した。

「イフタール」とはイスラム教徒がラマダン(日の出から日没まで飲食を断つ断食月)期間中、日没後に最初にとる食事のことをいう。イスラム文化圏では、街角やモスク、職場などで無料の食事が振る舞われ、その日最初の食事をみんなで楽しむ習慣がある。

安倍首相は「総理就任以来、イスラム諸国との関係を大切にしており、政治、経済、文化、人的交流など幅広い分野で包括的な関係を築くことに努めている。イスラム諸国との友好関係を深めるにつれ、日本とイスラム諸国が『中庸が最善』、の精神を共有していることを感じている」と挨拶し、「新たな令和の時代においても日本とイスラム諸国との交流がより一層盛んになることを期待している」と述べた。

また、本年度夏にはTICAD7(第7回アフリカ開発会議)、秋にはラグビーW杯、来年には東京オリンピック・パラリンピックと国際的な催しが続くこと、特に今年の10月22日には内外に天皇陛下の即位を宣明する即位礼正殿の儀が執り行われることに言及し、「イスラム各国からも元首級の方々が訪日を強く期待している。お集まりの各国大使の皆様の特段の御尽力をお願いしたい」と出席した各国大使らに呼びかけた。

官邸で開催されたイフタールにはアラブ各国の駐日大使らで構成される在京アラブ外交団に加え、イスラム圏・地域の各国計42カ国の駐日大使らが招待された。また、公明党・山口那津男代表、西村康稔内閣副官房長官、小池百合子東京都知事、その他イスラム圏と親交のある国会議員らも出席した。この点について安倍首相は、「夏の参議院選挙を控える中でも、今日は与野党の皆様に仲良くご出席頂いている。それもやはり多くの党派を超えてイスラム諸国の方々との友情を、関係を更に発展させていきたいという日本全体の思いが表れている」と歓迎した。

一方、今回のイフタールにはシリアからの外交団は招待されなかった。シリアはイスラム圏の国でアラブ連盟発足時の参加国の一つであり、イスラム協力機構(OCI)にも参加していた。日本とシリアは外交関係を断絶してはいない。外交関係者によると、日本政府はここのところシリアからの外交団を公式な式典等に招待するのを控えているという。



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