軍事

『やっぱ九条 ヨコスカ』 「横須賀軍港めぐり」と「米兵犯罪現地調査」 

Thursday, October 14, 2010

横須賀軍港など米軍海兵隊らが駐在する神奈川県横須賀市で、9日、「やっぱ九条 in ヨコスカ」と題して、日本国憲法9条の記念集会が開かれた。「軍備を必要としない平和維持」をテーマに、沖縄タイムスの記者らによる基地問題の講演、沖縄返還を主題にした映画公開、調査会や演奏会など様々なイベントが盛り込まれ、県内外各地から大勢の人が集まった。

集会の中でもメーンとなったのが、午後からの軍港見学と米兵犯罪現地調査。「この目で見よう憲法9条 横須賀軍港めぐり」と題した軍港見学では、チャーター船を使い、横須賀基地に駐在している軍艦などを視察。三笠公園を出航し、米軍住宅、海軍病院、ゴルフ場などが居住している「海軍施設」、自衛隊や米軍貯油槽が保管されている「吾妻倉庫地区」、そして海上自衛隊の司令部の「浦郷倉庫地区」を巡航した。

雨の荒天の中、60人以上の市民らが乗船。横須賀本港に浮かぶ、全長150メートル以上のイージス兵器システムの航空母艦、ミサイル駆逐艦、潜水艦、原子力空母などを見回った。米軍と自衛隊の戦艦が酷似している。ガイドの平和委員会の鈴木和弘さんによると自衛隊が米軍の戦艦、「ジョージ・ワシントン」などを模倣したという。

初めて軍港を目にした乗船客の若い女性は、「実際に見学して、本当に恐ろしくなりました。米国と日本が協力してこれから戦争向け準備するのではないかと疑うほどです。見ていることが信じられませんでした。恐いです」と、軍備施設に圧倒された様子だった。別の乗客の男性は、「日本の平和を守るためには、米軍基地は締め出さねばならない。基地が徹底する前に、軍港基地の現実を見たいと思い、巡航に参加した」と話した。

軍港めぐりと同時間に、「米兵犯罪現地調査」が市内で実施された。横浜合同法律事務所の弁護士が、米が浜通りの現地で状況を説明した。2006年1月3日午前6時半ごろ、市内でパート社員佐藤好重さんが、米海軍の空母キティホーク乗組員で上等水兵ウィリアム・リース容疑者に強盗目的で殺害された事件だ。リース容疑者は、通勤途中だった佐藤さんの顔や腹部を殴るなどして内臓破裂で失血死させ、財布から現金1万5千円を奪った疑いが持たれている。弁護士によると、容疑者は、酒にお金を使い果たしてしまい、強盗するために殺害する相手を探していたと言う。

調査には、被害者の夫、山崎正則さんも参加し、このような被害が二度と及ばないように訴えた。 また、調査団は、今年3月、タクシー運転手が水兵に殺害された現場にも足を運んだ。同タクシー運転手は、水兵から渡されたクレジットカードを読み込んでいる間、背後から刺され殺害されたと言う。

「米軍基地には反対。早く返還してほしい基地がある限り平和はこない」―。軍備に依存しない平和を追及する参加者らからの強い声が挙がった。

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