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発展と改革の担い手を目指して:サウジ国費留学生アルヒブシ・アマーニさん

Wednesday, March 4, 2015

パンオリエントニュース 

東京 - サウジアラビアの国費留学生の卒業を祝う式典が、3日、駐日サウジアラビア大使館主催にて行われた。今年卒業する学生の一人であるアルヒブシ・アマーニさんは、東京工科大学で応用生物学を専攻、博士課程を取得した。

アマーニさんが来日したのは2008年。日本で学問を追求することは彼女の長年の夢だったという。「故・アブドゥラ国王の奨学金制度のおかげで日本に来る夢が叶えられたときはとても嬉しかった。夢と現実のギャップに苦しみ、言語や文化の違いの壁に直面したこともあったけれど、目標があったからあきらめずにここまで来ることが出来た」と語るアマーニさん。「勉学を通じて多くの国を訪れ、様々な学会に参加する機会を得ることができた。今振り返れば、日本で過ごした時間は私の人生において最良の年月だった。」

留学先に日本を選んだのは、日本の文化や長い歴史、また女性でも安全に過ごすことが出来る環境が魅力的だったからだという。

「直面する困難に立ち向かい、努力し、乗り越えることが出来れば何でも出来る。そのメッセージをサウジの他の若者に伝えていきたい。また、学問に関することだけではなく、留学を通じて触れた『思いやり』といった日本の社会的文化も伝えていきたい。」

サウジアラビアでの女性の社会参画については、「まだ発展途中にあるけれど、年々海外で学ぶ学生も増えているし、留学経験を持つ私達のような人々が女性の就労機会の増大といった改革を担っていくと思う。私自身も、他のサウジ女学生にいろいろな可能性があることを示すロールモデルになっていきたい」と話した。

卒業後については、まず日本で働いて経験を詰み、さらに日本文化への理解を深めてからサウジアラビアの発展に貢献したいと、未来への期待に瞳を輝かせていた。

現在はサルマン国王奨学金プログラムとなっている留学制度は、前・アブドッラー国王によりサウジアラビアの人材開発の強化、海外の技術やノウハウを学ぶことを目的に2005年に創設された。日本への留学生の数は年々増え続け、今日では約600名のサウジアラビア人生徒が学んでいるという。本年度は、学部60名、修士課程63名、博士課程9名の計132名が卒業を予定している。そのうち112名が男子留学生で、20名が女子留学生だ。彼らが日サの関係強化、そして世界の平和と安定構築の担い手になることを期待したい。


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