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亡命するチュニジア大統領に彼女は叫んだ「早く飛行機に乗りなさいよ!この愚か者!」

Wednesday, February 23, 2011

パリ(パンオリエントニュース)フランスの雑誌は、退陣させられたチュニジアのベン・アリ大統領がカルタージュ国際空港に着き飛行機に乗り込む際、タラップで妻のレイラ・トラベルシに「チュニジアを去りたくない」と言ったところ、彼女にひどく罵倒されていた、と伝えている。.

フランスの雑誌「Le Nouvel Observateur」によると、前大統領は国民の反発を避けるためカルタージュ国際空港からサウジアラビアに逃亡する予定だったが、空港で彼とその家族の搭乗を待っていた特別機に乗ることを拒んだ。すると大統領夫人がこう叫んだという。「黙って飛行機に乗りなさいよ!この愚か者!私はアンタの愚かさとアンタが犯したとんでもない間違いのために人生すべてを無駄にしたのよ!!」

この雑誌はこの光景を目撃したチュニジア空軍の兵士の話として、先月退陣させられるまで23年もの間圧制を敷いたベン・アリ(74歳)は一度はチュニジアを完全に支配した大統領とは思えないような態度をとっていた、と伝えている。

この兵士によると、ベン・アリは小さなボストンバックを振りながら滑走路に立ち止まり、妻にこう言ったというのだ。「チュニジアを去りたくない。ここに残ってここで死にたい」.

大統領警護隊の隊長アリ・シルヤニーはこのフランス誌によるとチュニジアではかなり嫌われている人物のようだが、シルヤニー隊長が前大統領夫人レイラの横に立ち、ベン.アリを後ろから押してこう言った。「あぁまったく。。。早くタラップを上って飛行機に乗ってくださいよ」 ベン・アリはこれに従い妻や息子のモハメッド、娘のハルジュマとその婚約者、そして家族の執事、2人のフィリピン人メイドがいる特別機に乗り込んでいった。

ベン.アリの家族と親しいある筋の情報によると、大統領は妻をかなり恐れていて、彼女の言うことには大きなことも小さいこともすべて従ってきたという。チュニジアの人々はレイラのことを「カルタージュのレディー・マクベス」と呼ぶらしい。2009年にベン・アリが前立腺ガンと診断された際に政権を引退したいと漏らしたところ、53歳の元美容師であるこの妻が.絶対に認めなかったといわれる。

この筋の情報によると、レイラは息子のモハメッドが成長してチュニジア大統領の座を譲り受けるまで、或いはこれが叶わない場合は彼女自身が大統領に立候補するつもりでおり、それまでベン.アリに大統領を続けさせたかったのだと言う。

ベン.アリに同行した兵士はフライトの最中彼が10分おきにコックピットへ行き、操縦士に「ジェッダに着いたら、君は僕を乗せてまたチュニジアにトンボ帰りしてくれるよね?」と何度も聞いていた、と述べている。

操縦士は、「もちろんですよ。それが上からの命令ですから」と答えていたというが、これは上層部からベン.アリがチュニジアに帰りたいと言った場合このように答えるように、との命令を受けていたからだった。

ベン・アリ大統領の退陣はチュニジア国民を相当喜ばせたと伝えられているが、これは強欲な大統領一族がいなくなった喜びでもある。

レイラ・トラベルシは一介の美容師からチュニジアで一番影響力を持つ女性へと登り詰めたが、トラベルシ一族は究極の腐敗の象徴として人々から軽蔑されていた。レイラと10人いるその兄弟姉妹たちはマフィアのようだったとされ、大小かまわずビジネスの利権を常に要求していたと言われている。

彼らが北アフリカ地域の経済に及ぼした支配力は巨大であった。トラベルシ一族とベン.アリ本人の親族たちは、金融、航空、車、インターネット、マスコミなどありとあらゆるチュニジアの産業界において利権を握っていたといわれている。

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