外交

「駐日イラン大使が日本記者クラブで会見ー会見内容全文」

Monday, June 24, 2019

パンオリエントニュース 
東京- 6月24日(月)日本記者クラブで行われたラフマニ駐日イラン大使の会見全文です。

1.最初に、会見を開催してくださった、日本記者クラブに対し、感謝申し上げます。駐日イラン・イスラム共和国大使として、ここ日本記者クラブでの2回目の会見でお話をすることができ、嬉しく思います。このような会見が、両国の関係発展に資することを願います。本日は、二国間関係、安倍総理大臣のイラン訪問、地域と国際社会におけるイランの立場、そして核合意についてお話をしたいと思います。

2.二国間関係
 ご存知のように、イランと日本の関係は、歴史的、文化的に非常に長く、またつねに良好であり、良いレベル・水準で推移してきました。本年は、外交関係樹立90周年の節目の年であり、両国は様々な行事を開催し、記念の年を祝賀しています。

 その中でも、両国の要人の往来があり、両国の関係強化において重要な役割があります。この分野では本年、非常に良い前進がありました。まず、2月にイラン・イスラム共和国のラリジャニ国会議長の来日が挙げられます。ラリジャニ議長は、日本国参議院伊達議長の招聘により訪日し、日本国総理大臣、両院議長、日・イラン友好議連会長などと会談しました。議長の訪日は、議員交流の推進を始め、両国の関係促進に大きな影響がありました。

 二番目に、イラン・イスラム共和国ザリーフ外務大臣の来日が挙げられます。大臣の訪日は、日本国外務大臣の招聘により、5月に行われ、ザリーフ大臣は滞在中、安倍総理大臣、河野外務大臣と会談しました。これらの会談における最も重要な議題は、地域情勢でありました。双方は、地域のあらゆる政情不安や不安定化は、誰人・どの国にも利さない、地域の安定が重要不可欠であり、緊張のエスカレートにつながるようなあらゆる措置を回避しなければならない、という点を強調しました。
 しかし、要人の往来の中でも、最も重要なものとして、日本国安倍総理大臣が、6月12日から13日までイランを訪問したことが挙げられます。イランのローハニ大統領の招聘により実現した今回の訪問は、実のところ、イラン・イスラム革命後、初の現職の総理大臣によるイラン訪問であり、二国間関係にとっての転換点と位置付けられます。総理の訪問は、両国の協力関係強化に取り組む上で、貴重な機会となりました。

 日本の政府高官からなる代表団団長として安倍総理はイランを訪問し、最高指導者のハメネイ師、ローハニ大統領と会談しました。会談では、二国間関係の拡大、核合意の支持、地域の平和と安定において、双方は共通の見解を共有しました。

 首脳会談では、ローハニ大統領は、イランが日本との関係発展を非常に重視していることに言及し、次のように述べました:我が国は、深く、友好的で、長期的な日本との関係を望んでいる。二国間関係は昔から非常に強固なものであり、ダム建設、環境、石油化学を始めとするエネルギー等の分野で、後世に残る協力関係を築いてきた、と。大統領はまた、イラン南部のマクラーン海岸とチャーバハール港への日本側の投資への期待を述べました。
 安倍総理は、二回目となるイラン訪問が実現したことの喜びを述べられ、次のように語られました:「両国の外交関係樹立90周年の節目の年に、そして現職の日本国総理として41年振りにイランを訪問することができ、とても光栄に思う、と
 安倍総理は、イランが核合意を順守していることへの謝意を述べられ、次のように語られました:「我が国は、核合意を、地域の平和と安定の確立に資するものとして、一貫して支持してきた。イランは地域の大国である。イランは地域の平和と安定の確立のために大きな役割を果たしており、とても重要な国である、と。

 安倍総理はまた、ハメネイ最高指導者とも会談しました。会談の中でハメネイ師は、安倍総理の、両国の関係発展という提案を歓迎した上で、述べました:日本はイランにとっての友人であり、またアジアの中の重要な国である。イランとの関係拡大を望むのであれば、いくつかの重要な国がそうしたように、自らの確固とした意志を示す必要がある、と。安倍総理は、テヘランでの会談が、両国の協力関係の一層の発展のための礎となることへの期待を述べました。

3.地域の平和と安定:
 安倍総理のイランでの会談の議題の一つが、地域の平和と安定、そして緊張緩和でありました。イランと日本の両国は、地域の安定と安全保障を非常に重視しています。

 イラン・イスラム共和国は一貫して、地域の平和と安定を保証してきました。近隣諸国との協力と建設的関与は、イランの外交政策の優先事項であります。日本がイランの重要なパートナーであり、国際社会の平和と安全保障に積極的な役割を果たしていることから、イランは、中東地域における日本の役割の強化を歓迎します。

 イラン・イスラム共和国の根本的政策は、地域の緊張緩和と、平和と安定の確立です。ゆえに、地域の緊張緩和と、安定の向上につながるあらゆる努力を歓迎しています。最近では、イランの外務大臣は、ペルシャ湾岸地域の諸国との不可侵条約の締結を提案しています。

 残念なことに、こんにち、アメリカ軍の地域での駐留、イラン国民を標的とした、経済テロリズムとも言うべき制裁、そしてペルシャ湾における不審な妨害工作に直面しています。これらの行為はやめさせる必要があり、国際社会は、合意形成により、緊張緩和へと具体的行動を起こす必要があります。

イラン核合意:
 核合意は、13年間にわたる協議の結実であり、核不拡散に関する懸念払拭のための多国間合意です。それは、イランが核計画を縮小・停止する代わりに、イランに対する経済的圧力・制裁を解除し、その結果、国際社会の平和と安全の確保に資するものです。核合意は、核不拡散のための世界的な価値のある成果であり、日本の社会もまた、この価値がもたらす結実をよくわかっています。日本政府は一貫して核合意を支持する役割を果たしてきました。我が国は、日本の立場に感謝しています。

 アメリカが核合意から一方的に離脱し、イランに対し、単独行動主義的に制裁を科したことにより、アメリカの支配体制は信頼に値しないことが証明されました。核の番人であり、合意の履行を調査管理する機関である、IAEA国際原子力機関は、これまで15回、イランが同合意を完全に履行していることを確認しています。

 過去1年間、イランはアメリカの合意違反と敵対的措置にもかかわらず、最大限の自制を示してきました。アメリカの敵対的措置が続いたため、合意の履行において、26条と36条に基づき、アメリカへの具体的対抗措置をとることを決めました。イランは、この対抗措置をとることにより、合意のいかなる条項にも違反してはいません。アメリカの措置と、合意のその他の当事国の不作為のため、失われた権利と義務の均衡を取り戻すため、26条と36条に基づき、いくつかの義務履行を今のところ停止しているだけなのです。
 60日間の猶予期間で、イランの権利が保障されるようなスキームが実現・機能すれば、特に、イラン産原油輸出が、昨年のレベルまで戻れば、このイランの決定は停止されます。そうでなければ、26条と36条に基づき、義務履行停止の第二段階目が実施されるでしょう。



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